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アンチエイジング

アンチエイジングの方程式

2017.10.10

カラオケでアンチエイジング

 

カラオケで消費カロリーを上げる6つのポイント

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アンチエイジングはライフスタイルそのものです。日々、色々なところにアンチエイジングのためのヒントがたくさんあります。今回は、カラオケのアンチエイジング効果について述べてみたいと思います。

まずは、全身運動としての効果について。カラオケに行くと、一曲歌うごとの消費エネルギーが表示されます。1曲について10〜25キロカロリーが消費されることが知られています。消費カロリーの高い5分くらいの曲を10曲程度歌うことで30分程度のジョギングに匹敵するエネルギーを消費するのです。食べ物ではご飯1杯くらいのカロリーになります。結構なものですよね?より効率良く消費カロリーを上げるためにはいくつかのポイントがあります。

1.エネルギー消費量の高い曲を選ぶこと
2.一曲の演奏時間が長い曲を選ぶこと
3.立って背筋を伸ばして歌うこと
4.振り付けを入れたり、踊りながら歌うこと
5.口を大きく開けて歌うこと
6.腹式呼吸を使いできるだけ大きな声を出して歌うこと

1に関しては、今は簡単にわかるようになっていますね。3はとても大切です。脊柱起立筋を使い、コアマッスルを意識して歌うことで、座って歌うよりもエネルギー消費量がアップするだけでなく、基礎代謝の高いより太りにくい体にもなります。6の腹式呼吸での歌い方をマスターするには少しコツが入りますが、有酸素運動的な効果もあるので是非とも実践していただきたい歌い方です。

歌うことは運動的な効果がある他に、様々なアンチエイジング効果があることが明らかになってきました。私が役員を務める日本抗加齢医学会の前副理事長である斎藤一郎先生(鶴見大学歯学部教授)がカラオケの株式会社 第一興商と共同研究を行いました。

一つは、歌うことによるストレス解消効果。カラオケでおもいっきり歌った後は、気分がスッキリするということは以前から良くいわれてきました。研究では60歳以上の高齢者44人を対象に、自分の好きな曲を3曲ほど歌ってもらい、その前後で唾液中のコルチゾールの量を測りました。すると、歌い終えた後では、唾液の量が増えコルチゾールの量は減少していました。カラオケで自分な好きな歌を気持ちよく歌うとストレスが緩和されることが推察されます。

コルチゾールは腎臓の上にくっついている副腎という内分泌臓器から分泌されるホルモンです。心身がストレスを感じると分泌され、ストレスから体を守ってくれるため、抗ストレスホルモンとも呼ばれています。コルチゾールは生体をストレスから守り、体の機能を正常に維持するために働く大変重要なホルモンですが、強いストレスが長くかかるとその分泌量も増大し、かえって色々な弊害も起こってきます。交感神経系が緊張し続け免疫力が落ちたり、良質な睡眠に関係するセロトニンやメラトニンの分泌を低下させます。コルチゾールは血糖値を上げ、太りやすくなる作用もあるので要注意です。

唾液分泌量が増えたのは、口の周りの筋肉を使ったというフィジカルな面と、歌うことで副交感神経が優位になるというメンタルな面、2つの理由が考えられています。唾液の分泌は副交感神経が優位のときに多くなります。逆に交感神経が優位のときにはあまり出なくなります。緊張すると口の中が乾くのは、交感神経が優位になって唾液の量が減るためなのです。

 

ほうれい線予防や歯周病予防にも効果あり

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さて、歌を歌うのが得意でない方や人前で歌うのが苦手で逆にストレスに感じるような方も中にはいらっしゃいますよね?果たして、そういった方でもこの効果は期待できるのでしょうか?

答えはYes!歌うのが苦手な人や嫌いな人でも、歌を歌った後にはコルチゾールが減り、唾液分泌量が増えるという結果が出ています。その理由を斎藤先生は、「楽しくないときでも、笑顔を作ることで楽しい気分になる。それは笑って楽しかったときの記憶がよみがえるためです。歌っているときは顔の表情筋が豊かに動きます。その結果、幸せだった記憶や楽しかった記憶がよみがえり、コルチゾールが下がるのではないかと思われます」と解説されています。まさに、「笑う門には福来たる」ということですね。歌を歌った後には、ドーパミン、アドレナリン、オキシトシン、エンドルフィンといった脳内の幸せホルモン(生理活性物質)が増加していたという報告もあります。表情筋をたくさん使うことで、美容の面ではほうれい線の予防効果が期待できます。

歌うことで唾液分泌量が増えることも、アンチエイジング的には非常に重要なポイントになります。

加齢によって様々な臓器、器官の機能が低下します。口腔は老化を感じやすい器官の一つです。歯周病で歯が抜けたり、咀嚼の機能(噛む力)が低下し、嚥下力(呑み込む力)も衰えます。加齢とともに唾液分泌量も低下することがわかっています。健康な人は1日1.5リットルもの唾液を出しています。唾液には抗菌作用を有する成分、消化酵素、粘膜上皮細胞や種々の成長因子などが含まれています。唾液の分泌量が少なくなると、健康上色々な問題が生じてきます。

唾液中にはアミラーゼという消化酵素が含まれているため、唾液分泌量が減るとその分、胃での消化の分担比率が大きくなり胃に負担をかけることになります。同時に、私たちは唾液を無意識のうちにかなり飲み込んでいます。このことによって、胃酸はかなり中和されているのです。唾液が減ると胃酸過多になりやすい状況におちいります。さらに、細菌が歯や歯茎に長時間とどまり、虫歯や歯周病のリスクが高くなります。さらに口腔内の悪玉菌が増えるため、口臭も強くなり、口角炎も起こしやすくなります。

唾液はストレス、咬筋などの筋力の低下、服薬、加齢などによって分泌量が減ることが知られています。斎藤先生らが開発された口腔のアンチエイジングドック検査のデータから心身ともに健康な人は歳を重ねても唾液が減らないことがわかりました。唾液量は健康度やアンチエイジングのバロメーターになるのです。一方で、唾液の分泌量が多い男性では血液中のDHEA(副腎皮質で分泌されるアンチエイジングホルモンの一種で長寿の人ではこのホルモンの値が高い)の数値が高かったという研究結果もあります。

 

少し昔の懐かしい曲で認知症予防にも

最後にカラオケには認知症予防効果があることもお話ししておきましょう。脳には右脳と左脳があることはご存知ですね?右脳は、言葉を喋ったり計算をしたり、文字の読み書きをするときに使われます。左脳は、視覚でとらえた物や聴覚で聞いたものをイメージとして把握するときに使われます。右脳は理論的脳、左脳は感性的脳ともいわれています。

それでは、カラオケで歌を歌っているときはどのように脳が働いているのでしょうか?まず、音楽そのものを耳できいているとき。これは聴覚、知識、記憶などを司る側頭葉の部分が主に活性化されています。歌詞の文字を読んでいる際には、言語の発音、文字の認識など、前頭葉と視覚に関与する後頭葉が活性化されています。音程に合わせて発声しているときには、運動の統合、判断、計画、感情、聴覚など大脳の全体が活性化されます。すなわち、カラオケで歌を歌うためには、右脳、左脳が同時に働き、大脳全体を隈なく使わないとならないのです。これだけ脳をフル活用すれば、脳機能の維持にはもってこいであることがわかります。

そして認知症予防のためには、自分自身が懐かしいと思うような少し昔の曲を選ぶことが良いといわれています。これは、アメリカの精神学者であるロバート・バトラー氏が提唱している「回想法」という認知症の治療理論に基づく説です。人間は自分が若かった頃によく聞いていた音楽を聴くと、懐かしさと共にその頃に感じた様々な感情や体験、記憶が蘇ります。そのノスタルジーに浸ることで脳が活性化しアンチエイジングに向かうことが報告されています。

このように、カラオケには様々なアンチエイジング効果があることがわかってきているのです。さぁ、今晩、お友達を誘ってアンチエイジングカラオケに行ってみませんか!?

この記事を監修された先生

青木 晃あおき あきら

抗加齢医学専門内科医。日本健康医療学会常任理事。日本抗加齢医学会評議員。日本健康医療学会健康医療認定医。日本抗加齢医学会専門医。メディアでのわかりやすい解説に定評がある。

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