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青木 晃
青木 晃先生のアンチエイジング方程式

「いつまでも健康で若々しく上手に年齢を重ねる」をテーマに最新の知識と日本人に合ったアンチエイジングをわかりやすく解説します。

元順天堂大学大学院加齢制御医学講座准教授
横浜クリニック院長
青木 晃あおき あきら

日本健康医療学会常任理事。日本抗加齢医学会評議員。日本健康医療学会健康医療認定医。日本抗加齢医学会専門医。TV、ラジオ、雑誌などのメディアでのわかりやすい解説に定評があり、DR.アンチエイジング、ダイエット&アンチエイジングのカリスマとも呼ばれている。55歳ながら体内年齢検査ではすべて30代後半をキープ。

magico Beauty Topics vol.17

2017.04.25

睡眠とアンチエイジング(その1)

上手に眠る=アンチエイジング

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これまで、アンチエイジングにおける食、運動について紹介してきましたが、今回は睡眠がテーマです。最近、睡眠とアンチエイジングの関係が色々と解明されてきました。日本で最大のアンチエイジングの学会である日本抗加齢医学会でも年一回開かれる総会でここ数年は必ず「睡眠とアンチエイジング」のセッションがあり常に満席となっています。上手に眠ることはアンチエイジングに欠かせない重要なポイントなのです。適正な睡眠を取っているか否かで、体の状態というのは大きく変わっていきます。長期的に睡眠不足が持続してしまうと、生活習慣病をはじめとする病気・疾患にかかりやすくなり、ひいては寿命が短くなると言うリスクが高まります。他にも脳の老化が進んだり、太りやすく痩せにくくなったり、さらには美肌にも大きく影響してくることがわかってきました。

 

睡眠時間はどのぐらい必要?

では、適正な睡眠とはどのような睡眠を言うのでしょうか。適正な睡眠を決める3つのファクターがあります。その3つとは、睡眠時間、睡眠の時間帯、睡眠の質。まずは睡眠時間について考えてみましょう。結論から先にいうと、最もアンチエイジングな睡眠時間は7〜8時間程度です。これまでに睡眠時間に関してはさまざまな疫学的研究が行われていて、その多くが7〜8時間程度の睡眠時間が最も良いと結論付けています。

日本全国の約11万人を対象に10年間追跡すると言う大規模な調査を名古屋大学の玉腰暁子助教授(現・愛知医科大学教授)らが行いました。その結果、10年後の死亡率が最も低かったのは平均睡眠時間が7時間(6.5〜7.4時間)の人でした。それよりも睡眠時間が短くなればなるほど死亡リスクは高まっていきます。これは睡眠不足が糖尿病や高血圧、肥満症といった生活習慣病にかかるリスクが高くなることによると考えられています。

まずは糖尿病。ニューヨーク州立大学バッファロー校で1455人を対象に6年間行われた研究において、日曜日〜木曜日の睡眠時間が平均して6時間未満の人では、6〜8時間眠る人に比べて空腹時血糖値が高くなる率が4.56倍も高くなることがわかっています。睡眠不足が糖尿病発症のリスクを高める可能性があるといえるでしょう。他にも睡眠時間と糖尿病の関係を調査した研究はたくさん行われていますが、多くの研究で7時間程度の睡眠が最もその発症リスクが少ないという結果も出ています。

30歳以上の日本人の40〜50%が該当するともいわれる高血圧もまた睡眠不足が大きく影響しています。アメリカのコロンビア大学における調査では、睡眠時間が7〜8時間の人が高血圧と診断される確率は12%なのに対し、5時間以下の人は24%と倍になることがわかっています。

 

睡眠不足が肥満を招くには理由がある

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さらに肥満もまた睡眠不足と大きな関わりがあります。これもコロンビア大学での研究結果からですが、平均睡眠時間が7時間の人に比べて4時間以下の人はなんと1.73倍も肥満になる率が高くなるというデータが出ています(5時間睡眠では1.5倍、6時間睡眠でも1.23倍肥満になりやすい)。睡眠時間が短いと肥満しやすいということには、食欲を抑制するレプチン、反対に食欲を増進させるグレリンという二つのホルモンが関係しています。睡眠時間が短くなると満腹の指令を出すレプチンの分泌が低下し、空腹の指令を出すグレリンの分泌が増加することがわかっています。つまり、睡眠不足の状態ではレプチンとグレリンのホルモンバランスが乱れ、必要以上にお腹が空いてたくさん食べてしまうようになるのです。一方、睡眠不足によりレプチンが減ってグレリンが増えると、オレキシンというホルモンの分泌も増加することが知られています。オレキシンは、脳を覚醒させると共に食欲を増進させる作用を持つホルモンです。レプチンの減少、グレリンの増加により食欲が増しているところにさらにオレキシンが分泌されると一層空腹感が増強されるわけです。

アンチエイジング医学の分野では、肥満、高血糖、高血圧は血管の老化である動脈硬化を助長するので絶対になってはいけない病態とされています。逆にいえば、睡眠時間をしっかり取ることでこれらの発症リスクを低く抑えることができるわけですからアンチエイジング法としてはかなりお得な方法ともいえるでしょう。

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