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アンチエイジング

アンチエイジングの方程式

2017.02.28

運動がなぜアンチエイジングにいいのか?

15分の軽い運動で死亡リスクが14%減る

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ヒトの約2万3000個の遺伝子のスイッチのオン・オフは食事や運動によって起こります(これをエピジェネティックコントロールという)。長寿遺伝子「サーチュイン」の活性化は「カロリー制限」と「適度な運動」がキーであることもわかっています。

なぜ、適度な運動はアンチエイジングにつながるのでしょう?運動すると筋肉細胞の中でミトコンドリア(=エネルギー燃焼工場)を活性化する遺伝子のスイッチがオンになります。ミトコンドリアが活性化されると、エネルギーの産生効率がアップし代謝が上がります。加齢とともに基礎代謝が低下してくると、疲れやすくなったり太りやすくなったりしますがそれを防ぐことで若さをキープできるのです。

2011年のLancetに発表されたCP.Wenらの報告(41万人を8年間追跡した台湾での研究)によれば、毎日約15分程度の軽い運動(ウォーキングやジョギング)を行っていると、全然運動をしない人に比べて、死亡リスクは14%減り、寿命も3年ほど延びることがわかっています。因みに運動時間が15分増える毎に死亡リスクは4%ずつ低下しました(100分/日以上では変わらず)。WHO(世界保健機関)は「週に150分(=1日20〜25分)」程度の中程度(早歩きなど)の運動を推奨しています。

ジョギングや水泳など意識した運動でなく、日常生活における身体活動量を増やすだけでも、高齢者や女性では寿命延長効果があることもわかっています。運動すると、その効果は身体ばかりでなく、脳の機能やメンタル面にもプラスの効果をもたらすことが様々な研究で明らかになってきています。

筋肉を減らさないことがアンチエイジングへの道

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これまで、「適度な運動は体にいい」ということはよく言われてきましたが最近、「体を動かさない生活は喫煙や不健康な食事、アルコールの多飲と同様に体に害を及ぼす」ということが疫学的研究によって明らかにされました。座りっぱなしで体を動かさない生活のことをセデンタリー・ライフスタイル(Sedentary Lifestyle)といい、これはがん、糖尿病、心臓病、慢性呼吸器疾患などを引き起こし世界で年間約200万人もの死亡原因になると言われています。一日10時間以上座っている人は、座っている時間が4時間以下の人よりも病気になるリスクが40%高くなるという研究結果や、一日に6時間以上座っている人は3時間以下の人より早死にしやすいというデータも出ているのです。

また、「太っている人はやせている人よりも座っている時間が長く、やせている人はこまめに動いている時間が長かった」という報告もあります。セデンタリー・ライフスタイルを続けていると、脳細胞にも悪影響が及び、実際に脳の萎縮が早くなることもわかってきている。

運動を全くしない状態で齢を重ねると毎年、総筋肉量の1%が減り続けます10年で10%減少、20年で20%の減少です。加齢と共に筋肉は減っていき基礎代謝が低下すると肥満にもなりやすくなります。例え、体重が変わらなくてもそれは、筋肉量の減少の分、脂肪が増えていること(置き換わった!)にほかならないのです。アンチエイジングの基本は、習慣的運動の継続によって筋肉を減らさないことと言えます。

アンチエイジング的な運動とは

では、アンチエイジング的にはどのような運動をどの程度すればよいのでしょうか?

筋肉には、酸素を必要とする「赤筋」と、体内のブドウ糖を分解して使う(酸素を必要としない)「白筋」があります。マグロなど赤筋の発達した動物は、常に運動して(泳いで)いないと酸素を取り込めず、死んでしまいます。一方、トラやヒョウ、ヒラメなど、獲物を瞬時に捉える動物は白筋が発達していて、短距離の瞬発力はあるが、長距離を動き続けることはできません。人間はマグロに似た赤筋系で長距離を走るのに適しています。だからこそ、いつも体を動かしていないと正常な状態に保つことができないとも言えます。運動しない生活は死を意味するといっても過言ではありません。

赤筋を使う運動は、マラソン、ジョギング、速歩き、水泳、エアロビクスダンスなど長時間続け、取り込んだ酸素で脂肪を燃やす有酸素運動。有酸素運動は体脂肪を燃やすほか、心肺機能を高める、骨を強くする、脳の働きをよくするなどの作用があり、さらに細胞レベルでもミトコンドリアを増やし、その質を良好にします。少ないガソリンで効率よくエネルギーを出せるようになるため、運動で出る活性酸素の発生量も減ります。ミトコンドリアの多い赤筋の代表は、大腰筋や腹横筋など体の深部にあるコアな筋肉なので、有酸素運動を行うときはコアマッスルを意識するのがポイントです。

これまで、ミトコンドリアの多い赤筋が注目されてきましたが、最近では白筋も重要だということがわかってきました。基礎代謝量をアップさせるほか、糖尿病や高血圧などの生活習慣病予防にも白筋が関係しています。年齢とともに減る筋肉のほとんどは白筋なので、筋力トレーニング、ダッシュなどの「無酸素運動」で白筋を増やすことも重要です。

白筋を鍛えるためには、「ちょっとキツイな」というくらいの負荷(最大負荷の80%くらいの負荷)が必要。このレベルの筋トレによって成長ホルモンの分泌量も増えてアンチエイジング効果が期待できます。筋トレの代表としては、スポーツクラブのマシントレーニングやダンベルなどがありますが、器具を使わなくても腹筋やスクワットなどを自宅で行うのも有効です。加圧トレーニングなどもお勧めです

この記事を監修された先生

青木 晃あおき あきら

抗加齢医学専門内科医。日本健康医療学会常任理事。日本抗加齢医学会評議員。日本健康医療学会健康医療認定医。日本抗加齢医学会専門医。メディアでのわかりやすい解説に定評がある。

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