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アンチエイジング

アンチエイジングの方程式

栄養学

2017.01.31

上手な糖質制限でアンチエイジング!(下)

砂糖が登場した200年前から血糖が急上昇!

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前回、現代文明社会に暮らす私たちが糖質を過剰に摂取していることを述べました。私たちはいつ頃からこんなに糖質を摂るようになってしまったのでしょう?
人類の歴史を振り返ってみると、人類とチンパンジーは共通の祖先から700万年前に分かれ、約250万年前から脳が急速に増大し石器などの道具や火を使用し出したことがわかっています。地上に降り立つことで、チンパンジーのような果実・植物が主体の食から肉食の生活へと変わっていきます。現生人類(ホモ・サピエンス)の出現は約25〜40万年前ですが、200〜250万年くらいの間、私たちの祖先は草食動物や肉食動物と同じように、木の実を採集し魚を捕り、動物を狩り、それらを食べて生きていたのです。

農耕革命が起こったのが約1万2千年前。採集・狩猟主体の肉食生活から穀物主体の食生活への変革が起こったのはわずか1万年前なのです。200年前の産業革命により穀物を精白する技術が開発され、砂糖が登場し私たちの血糖は急上昇していきます。約700万年前の猿とヒトとの分化の時点を0時0分として現在を24時とすると、主食が糖質となったのは、なんと23時58分(精製糖の大量生産が始まったのは23時59分58.8秒)!実は、私たちの食生活の歴史のほとんどは肉食中心で、穀物類の摂取をし出したのはごく最近だったわけです。

水分以外の人体の組織の構成成分を見ても、たんぱく質が45%、脂質が42.5%、ミネラルが8.75%で炭水化物は1.25%に過ぎません。こうしたことからも、私たちヒトは、炭水化物をそれほど多く摂らなくても充分生きていくことが可能だといえます。

 

糖質体質を3日でリセットする

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抗加齢医学的にも従来の栄養学で提唱されていた三大栄養素の摂取比率、炭水化物:脂質:たんぱく質=60%:25%:15%では、炭水化物の量が多すぎるという考え方が定着してきています。米国糖尿病学会も糖質制限食は医学的にも有効であると認めています。これまで、食事療法においては摂取カロリーを制限することが体重コントロールや血糖コントロールには欠かせないとされていたのが、トータルカロリーではなく糖質摂取量が問題であることが指摘されるようになってきたわけです。
それでは、具体的な糖質制限のやり方をお教えしましょう(ただし、糖尿病、腎臓や肝臓に疾患のある方は主治医の許可を得てからにして下さい)。
まずは糖質依存の体質を一挙にリセットするために、3日間は少しシビアな糖質制限食にします。食べていいものは、肉、魚、卵、糖質量の少ない野菜(根菜類などはNG)、豆腐などの大豆製品、キノコ類。調理に使うオイルは中鎖脂肪酸のココナッツオイル(微香性のもの)がお勧めです。ご飯、麺類、パン、スイーツ類、糖質の入った飲み物や調味料は一切ダメ!飲み物や調味料は裏側の成分表記で糖質の有無を確認しましょう。水分は2リットル以上、こまめに摂るように。

 

尿から分かる血中ケトン体濃度

糖質をカットした食事をしていると、体はブドウ糖をエネルギーとして利用できなくなり、次第に脂肪を分解してエネルギーを作るようになります。その時に肝臓で出来る物質がケトン体です。エネルギー代謝が糖質依存から脂質へシフトしてくると血中ケトン体濃度が上がり、尿にもケトン体が出てきます。尿をチェックすることでそれを知ることができます。ケトン体を調べるための試験紙(ウロペーパー)を薬局で購入しておくと良いでしょう。糖質制限を始めたら、翌日の夕方〜夜の尿で検査を。+〜3+になっていればOKです。3日間行ってケトジェニック(ケトン体生成)な状態になるとほとんどの人が糖質依存から抜け出せます。因みに、辛いのは18時間〜36時間後くらいです。糖質中毒であればあるほど、頭痛や気分不快、イライラ感、疲労感、冷や汗や動悸などを感じるでしょう。3日目くらいになるとそういった症状も落ち着きます。
4日目からは、尿中ケトン体が+〜±になる程度までの糖質摂取を許可します。この量は人によって異なりますが、朝はご飯茶碗に半分、昼はパン6枚切りを半分、夜はパスタ75gくらいが目安となります。減量を目的としている場合は、シビアな糖質制限を1〜2週間続けるとより効果的です。
概ね2ヶ月を目安にこの中程度の糖質制限食を行い、その後は緩い糖質制限食(ゆるローカーボ)にします。三大栄養素の摂取比率を炭水化物:脂質:たんぱく質=33〜40%:30〜33%:30〜33%がその目安になります。具体的には、主食としての炭水化物は、出来るだけ少なめにして、糖質が多い野菜、果物の摂り過ぎにも注意します。デザート類は一日一回ならばOKです。
半年に一回は3日間のシビアな糖質制限を行って、糖質依存に戻らないようにするのもポイントです。

この記事を監修された先生

青木 晃あおき あきら

抗加齢医学専門内科医。日本健康医療学会常任理事。日本抗加齢医学会評議員。日本健康医療学会健康医療認定医。日本抗加齢医学会専門医。メディアでのわかりやすい解説に定評がある。

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